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社長コラム
Column

vol.50

まさに「ITに温故知新を」を地で行く「ITリノベーション(仮称)」の誕生

2024年7月、トライビュー・イノベーション株式会社は「ITリノベーション(仮称)」(以下「ITリノベーション」)と命名した中堅企業様向けの新たなICTサービスを発表しました。

この新サービスの詳細内容は当社のホームページの本編に委ねるとして、この社長コラムではなぜ私が「ITリノベーション」の開発に取り組んできたのかをご紹介したいと思います。

まずは、原点のお話からですが、今から38年前の1986年まで遡ります。私はIBMビジネスパートナーの営業2年生で、愛知・岐阜で活動をしていました。コンピュータを販売することはたいへん多くの知識と活用方法を考案する能力を身に着ける必要があり、私は当時IBMシステム/36というプラットホーム(当時はオフコンと言った)を使って生産管理(MRP)システムを稼働させていた、大手自動車部品メーカーの岐阜工場を担当していました。

しかしながら、当時の私はオンラインシステムや、生産管理についての知識が浅く、提案型営業などとはほど遠いのが実態でした。そのような時に二歳年上のIBM直販営業で素晴らしい業績を達成されている方に個別で指導をいただく機会をいただきました。

その時に見せていただいたのが「プロポーザル」です。まだ当時はあいさつ文から手書きのものでした。その時に書かれていた内容は今でもハッキリと覚えていますが、コンピュータに関する説明はほとんど無く、多くが図案化された現状の業務(AS IS)と導入後の業務(TO BE)、そして最後に費用対効果の説明でした。

私はたいへん強く感動したことを今でも覚えています。そう、これが提案型営業であると…。それからの私の営業活動はプロジェクトペーパー(方眼紙)、グリーンのコンピュータ設計用テンプレート(定規)、電卓、そしてシャープペンと消しゴムを使用して提案書を書く日々が続くことになりました。
注)当時まだパソコンは共同利用でパワーポイントのような高度なプレゼンテーションツールはありませんでした。

次に、私の30歳から35歳までの時代です。

私はIBMビジネスパートナーを29歳で辞め、1992年、名古屋市に本社を置く環境改善事業を展開する企業へ転職しました。

前職時代、私はその会社の専務(社長のご子息)から基幹業務システム再構築の契約をいただきましたが、その契約した基幹業務システムがある理由で本番稼働を迎えられない状況に陥っておりました。私はその状況への恐怖と責任感の狭間におり、熟慮した結果、その会社に転職し、自分自身で情報システム部門を発足させ、基幹業務システムと全国のオンラインシステムを立ち上げることを決意しました。

このことを同社の専務にご相談すると快諾していただき、発足した情報システム部門は約1か月後にSE(恩人)が入社し二人体制ではじまりました。

そして、活動開始からしばらくして役割分担が明確になり、私が業務・インフラ担当、SEがシステム開発を担当し、二人三脚での活動になりました。

3年後、会計・給与・販売管理・購買管理業務をシステム化し、全国23拠点のオンラインを実現したのが1994年、33歳の時でした。この3年間で私は今業務で何が行われているかを把握すること(業務の可視化)の大切さと、その業務をどうすればより効率良く、合理的なものになるのかを考案すること(新業務構想)の大切さを知り、これらにITをどのように駆使し、エンドユーザーが利用できるシステムにするのか(新システム構想)を実務の現場で学ぶことが出来ました。この経験はなにものにも代えがたい経験になりました。

因みに、利用したプラットホームはIBM AS/400 9406-E45と呼ばれた当時のハイエンドモデルでした。

それでは次の時代に話を移したいと思います。昔話をしていてはいつまで経っても本題に話が行きませんので時は一気に2016年へ飛びます。

トライビュー・イノベーション株式会社を創業したのが2012年でしたから創業4年を過ぎたあたりの2016年のことです。主催は株式会社クロスオーバー(JMACグループ)、当社トライビュー・イノベーション株式会社、そして、JMAホールディング様、日本能率協会コンサルティング様に共催していただいた講演会です。下にあるチラシはその時のもので、もう8年前になります。

その講演会で私たちは、「既存IT資産を有効活用し、攻めの情報システムを最適に構築~レガシーシステム イノベーションメソッド」と銘打ち、ビジネスモデルとして「業務の可視化」「システムの可視化」を行い、「システムコストを整理し、体系的・継続的に削減を実現」させ、「最適で戦略的な情報システム構築」するプロセス(過程・方法論)を明らかにしました。

この時が私たちの会社で「ITリノベーション」として動き始めた瞬間でした。

講演会チラシ

そこから4年が過ぎ、2020年の夏、懐かしい知人から仕事の相談があるとご連絡をいただき、これまで温めていた「ITリノベーション」の考え方がビジネスに繋がる時が来ました。

連絡をくれた彼は2013年にミャンマーのヤンゴンにITビジネスの現状視察に一緒に行った方で当時は大手コンピュータ会社で企画をしていました。彼からの相談は、「東京の成増で金属加工業を営んでいる企業様がITを使って業務の合理化、生産性向上を目指している。」というもので、私は彼と共に成増の同社へご挨拶に行きました。

この会社様こそ当社のホームページにお客様事例としてご紹介させていただいている株式会社シントク様です。

「まず会社業務を見える化し、どのように業務を見直し、新たなシステム化構想を立案するか。そして、製品ごとの原価、関連コスト、価格の根拠を明らかにすることこそが大事である」とコンサルタントは言いました。

そこで私たちがたたき台としてまずご提示したのか下記の提案書(全体の一部_2020年10月15日)です。

現状調査及び基本構想制作のご提案
「貴社システム現状調査及び基本構想制作のご提案 たたき台資料」Copyright ©2012-2020 TRIVIEW Innovation Inc. All Rights Reserved.

ここから、ITリノベーションは徐々に形になり、先日8/1にサービスリリースをいたしました。

シントク様のプロジェクト開始からはすでに4年近くが経過しております。下記の当社のホームページの事例記事にはプロジェクト着手から約3年が経過した時点でのお客様の状況が記載されています。プロジェクトメンバーに現在の進捗をインタビューしたところ、現在はデータ解析ツールを利用し、社長様(経営)が必要とする経営の分析情報を提供する局面に来ているとのことです。今でも社長様をトップに、弊社プロジェクトメンバーが伴走する形で経営改革のお手伝いをしております。

株式会社シントク様の事例記事

最後に、弊社が謳う「ITリノベーション」は、お客様が既存IT資産を有効活用し、情報システムを最適に構築し、運用し、業務改善をご支援する事です。

そして、これが私たちトライビュー・イノベーション株式会社の「レガシーシステム イノベーションメソッド」です。

大変長くなりました。ご拝読、ありがとうございました。

以上

2024年(令和六年)8月8日
トライビュー・イノベーション株式会社
代表取締役社長 村松 光德